高田義裕の人生論

今日の箴言

便利であることと、手間がはぶけることとは紙一重である。この世の中はどんどん便利になっているが、それは喜ばしいことかと言うと、必ずしもそうではなく、便利になった分、手間をはぶくことも多くなったという意味では、人間が、作っているものがだんだんと簡単に作られている分、その作りが、壊れ易く、脆い構造になってきているということである。すなわち、人間が物事を深く考えることが無くなって、専門家という分野がだんだん少なくなっていることを意味している。例えば、プリンターという製品一つにしても、ある部分が、壊れた場合、どこが壊れたかまた、どの部分を直せば良いかということが分かる専門家がいなくなり、昨今の事情では、部分的に壊れたら、また全部新しいものに交換することでしか対処出来なくなってきているのである。すなわち、現代は、専門技術の継承が難しくなってきており、それを継承しようとする人間も少なくなってきているということである。そうなのだ、世の中は、便利になればなるほど、人間は頭を使わなくなり、それだけ怠惰な人間が増えているということなのである。これは将来的には、人類が衰退して行く存亡の危機へと繋がって行くであろう。

2.人の真の心の内は、その人の見た目の態度からは判断し難いものである。なぜなら、本当は、苦しかったり、悩んでいたとしても、本人自身が、表面的には、元気で明るく振る舞っていることにより、それを押し隠している場合が多いからである。よく人は自殺した人や犯罪した人の知人や隣人に尋ねると、その人柄は普通で、そんなことをする様には全く見えなかったとよく耳にするからである。

3.はっきり言っておく。実は有り余るほどお金があるよりも、お金が少ない方が知的でより人間らしい有意義な生活が送れるのである。なぜなら、お金がある人は、日々働くのに必死になっており、精神的にも肉体的にも無理をしており、常に仕事に対するプレッシャーに押し潰され、だんだん頭がおかしくなって正常な精神を保てたくなるからである。逆に、収入を少なくして、仕事に対する圧力から遠ざかり、自分の時間を過ごすことを増やせば、たとえ貧しくても、自分のしたいことや、余裕があるから、日々、楽しく有意義に、人間らしく生活できるからである。