高田義裕の人生論

今日の箴言

物事に対して、これが一番正しいというものがあったとする。しかし、これは裏を返せば、それが無かったら、もう後には何も無いという事である。それでは、それが出来ない状態がもし来たら、もう何も対処出来ない事になり、結局、あらゆる物事に対応出来ない事になる。これは矛盾である。要するに、これが一番正しい、と固定してしまうと、変化の激しいこの世界の状況に対応出来ないのである。よって、あらゆるすべての物事にとって、これが一番正しいという命題は、間違っている事になる。すなわち、この世界に、これが一番正しいというものは存在しないという事である。むしろ、真の正しさとは、あらゆるすべての状況に応じて、柔軟に変化する水のように、形が固定していない特質を持ったものなのである。それは、人間が既に持っている特質である。そう、それは慣れるという事である。よって、これで万全とか最良とかという事はそれ自体、限定的で限界のあるものなのであり、そうではなく、状況に応じて千変万化する柔軟性、すなわち、慣れる事こそ、最も正しく、最も強く、最も優れているものなのである。