高田義裕の人生論

今日の箴言

確かにこの世の中にある思想や考え方には、新しくて素晴らしい方法や、立派で賢いアイデアが数多くある事は事実だ。しかし、それらすべてが陥っている共通の落とし穴がある。それは、その考え方なり、方法がいかに素晴らしくても、あくまでも、それは、数多くある手段や知識の中の一つでしか無いという事である。しかし、人は、それをまるで神の様に唯一正しいものと見なしてそれ以上のものは無いと思い違いをしてしまうのである。そう、一つの価値観に固執し、それを神の様に崇め奉り、それを宗教にしてしまうのである。この世の中には、無数の宗教があるが、それらに共通しているのは、自分達の教えが唯一正しいと信じ込んでいる事である。要するに、唯一正しいものは一つしか無いのに、唯一正しいものが無数にあるのである。これは明らかに矛盾している。少し考えて見ればすぐ分かる様に、たった一つですべてをまかなう事が出来る様な物が存在するであろうか。決してそんな万能な物は存在していないのである。要するに、1には、1しか、2には、2しか対応しないのに、まるで、1に100が対応するかの様に述べている事になる。これは明らかに異常であり、あらゆるすべての人間に共通する価値観など無いのである。あくまでも、100人には100人分の価値観があるのであり、この世界は、多様性に満ちているのである。よって、多様性こそ正しいのであり、これが真理であると決定付けてしまうのは、あらゆる存在の意味を否定し、殺してしまう恐ろしい考え方なのである。この思考回路こそが、人類の歴史の中で多くの悲惨な殺戮や弊害を生じさせて来たのである。