高田義裕の人生論

今日の箴言

決してそれだけ見ていても、それ以外のものを知らなければ、本当にそれが、何であり、どうであるかは、分から無いこと。例えば、あなたが、生まれた時から、甘いものばかり食べて来たとしたら、あなたはそれを甘いと言う認識はない。また、あなたが、生まれた時から、自分の親としか接していないとしたら、あなたには、それを自分の親であると言う認識はない。また、あなたが、生まれた時から奴隷として働いていたとしたら、あなたには、自分が奴隷だ、と言う認識はない。すなわち、あなたは、また別の辛い物を食べて見て初めて、今まで食べて来たものは、甘い物だったのだと言う認識が生まれる。また、あなたは他人と言う自分の事を可愛がってくれない人間と接する事で、初めて、今まで接してくれたのは自分の親だったのだ、と言う自覚が湧く。また、奴隷生活から解かれて、自由な生活を味わって初めて、私は以前は奴隷だったのだ、という事に気付く。同様に、人間は、自分自身が何者であるのかを認識していない。何故なら、あなたは生まれて来た時から、ずっと、自分自身しか知らないからであり、自分自身がいかなる存在なのか、を知る為には、一回、自分自身以外の存在にならなければならないからである。しかし、あなたは、自分自身以外の何者にもなる事が出来ない。そう、自分自身と何かを、比べる事が出来ないのである。よって結論として、すべての人間は、自分自身に対して無知であるという事である。